スポーツ救急医療体制
●マラソンと突然死
健康の維持増進やメタボリック症候群の改善のために、手軽に始められるジョギングをはじめ、その延長でマラソンに参加する人が増えてきています。しかし、マラソン中に突然死によって命を落とす人も少なくありません。
毎年、マラソン大会で心肺停止に陥るランナーは数人発生し、過去には1日で3名のランナーが亡くなったこともありました。
マラソン中の突然死は心臓起因の突然死で、心臓突然死とも呼ばれています。
●マラソン中の突然死の原因
マラソン中の心臓突然死の原因には、急性冠症候群(ACS : Acute Coronary Syndorome)に含まれる、心筋梗塞によるものが多いと考えられ、動脈硬化、高血圧、脱水、交感神経緊張状態が複合的に関係して発生するのではと考えられます。
・動脈硬化
動脈硬化のある人は、運動中に血圧が200mmHgを超えるという、運動時高血圧が起こりやすいと言われている。
・脱水
運動時の脱水により血小板凝集が亢進し、血栓が形成されやすくなる。
・交感神経緊張
マラソンなどの運動をしている時は交感神経緊張状態にあり、心筋梗塞を起こした際には、心室細動に移行しやすい。
●マラソン中の突然死の発生機序
運動時高血圧などにより、冠動脈内に形成されたプラークの被膜が破れ、冠動脈にプラーク内の粥腫が流出し血栓を形成します。この時に、脱水によって血小板凝集が亢進していることも重なり、血栓の形成に大きく関わってくると考えられます。
そして、形成された血栓によって冠動脈が閉塞され、心筋に酸素を供給することができなくり、心筋が壊死してしまいます。
それが心筋梗塞です。
●マラソン中の突然死への対応
マラソン中に発生した心肺停止に対しては、救命の連鎖に基づいて迅速にAEDを実施することが必要です。心肺停止の発生から3分以内を目標にAEDを実施できる体制を整備することが大会本部、または地域の救急医療に課せられてきています。
記憶に新しいと思いますが、2007年に行われた東京マラソンにおいて2名の心肺停止傷病者が発生しました。しかし、大会に敷かれた救急医療体制によって社会復帰するまでに回復しています。
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